ある日の記憶
ケータリングアーティスト江崎ともみが 日々心震わせるささやかな出来事を綴ります。
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gurikku 

Author:gurikku 
今だから問われるリアルな食。
本当に「美味しい」ってなんだろう?
ただの美食追求ではなく、愛おしく想う気持ちを大切に
食のあるシーンを演出していきたいと思っております。
人見知りで口下手な私ですが(笑)
「食」を介して誰かと出会えることが今一番の幸せです!!



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ストッパー。
よいことでも

悪いことでも

自分だけだと
止れないことってある。

広々とした
「外」に初めて出たあの日。

それが
自由と思った。

どこまでも
飛べる。

果てなどないと。

何をやってもいい気がした。

行き過ぎて
壊れるまで
やりすぎて。

それは
自由を
手にしたことなのか?

壊れかけたその身に問いかける。


ストッパーになってくれる
なにかがあって
傍らにその人がいて

限りがあって

果てが見えて。


足かせと思えた
自身を縛るその部分。

「不要」
と想い続け
それでも抱え続けるしかなかったそこに


本当の「自由」があった。



DSCN0714.jpg

六三四「むさし」。

634ミリメートル、634g。

初め
何か巻きものを携えて来てくださったようにみえて。

中身は
いつもいただく美味しい麺。

おかしくて
うれしくて。

笑い合って。

玄関先のさもないヒトコマ。

この時代と共に
きっと
忘れないさもないヒトコマ。






家のごはん。
母乳のはなし。

にんげんのお乳。

牛のお乳とも
やぎのお乳とも
羊のお乳とも
もちろんちがう
その栄養。

人が
人として
これから長い長い旅路に入っていく
その根幹を作るすべてが溶けこんでいる。

すごいのは。

一回の授乳のはじめとおわりでも
成分がちがうらしい。

朝晩でも。

そして、
その
目の前の我が子の体調に合わせて
刻々と変わっていくのだと。


ここにあった。


家のごはんの原点。

一定の味じゃなくて、
同じものでも
今日接したすべての感覚と
傍らにいる人の息づかいに触れて
微妙に
変えていく。

塩ひとつまみ
たがえる。

そんなことが
家ごはんを飽きさせない理由なのだけど。

そして、
よくそんなことを
「料理は愛情」と表現するけど。

その答えが
ここにあった。

自然の摂理のなかにあった。

生命の誕生にもっとも近い
母のカラダ。

家ごはんのふるさと。


DSCN0229.jpg
DSCN0385.jpg
DSCN0392.jpg

実家近くの竹林や道端産。








命を抱える。
赤ちゃん。

まだ
この地は新天地。

こゝろ揺れる中で。

おかあさんが腕と胸のぬくもりで包みこむ。

赤ちゃんのこゝろからの安堵が
こちらにまで安らぎを与えてくれる。


おかあさん。

命を抱えたその姿は。

なんと
強く
うつくしい。


宇宙のかたちを
きっと
いま
私は目のあたりにしている。


宇宙は
きっと
こんなふうに
私達の星を
抱えている。


DSCN0117.jpg
DSCN0102.jpg

おばあちゃんと山菜採りに。

おばあちゃんの目が
きらきらと
山菜を捉える。
おばあちゃんの命が
春と呼応している。

そして、
私も。

芽吹く命に触れると
生物は
潤いと希望で満ち満ちていく。




食材の記憶。
食べもの。

私達にとっての。

同じ
いきもの。

生きて来た
過去がある。

そこで
何を感じて
触れて来たのか。



見上げていた空。

隅々に浸透していく
瑞々しいものへの快感。

しぶきの
その合間から見える
美しい世界。

その葉にすいっと飛んできた
羽の音。

空気のゆれ。

いろ。

微細ないきものたちのどよめき。

轟くような地の熱。

触角で触られたくすぐったい感触。

葉と葉の
重なり合い、
すり合うときのかさっとしたざわめき。

人の気配。


そして
摘み取られ
採取され
ここに来て
わたしの内に入り。

そこには
食材の記憶。

夢も見ただろう。

亜麻色の夢。

そんなものが
流れ込んで来て
私の記憶と
同化していく。


ときどき
自分じゃないような夢をみる。

自分一人では
出てこない
自分に出会う。

それは
きっと
ここにやって来た
いきものたちの記憶。

ちゃんと
何かに触れて
何かを感じて
育ったものほど
まっすぐに
私に向かって
すいっと入り込んでくれる気がする。


そのことで
私は
こうしてちゃんと
ここに
いられるのかもしれない。

DSCN9917.jpg

相方が教えていた生徒の卒業制作。

ケークサレ。

その子に会ったことは
私はないのだけれど

格別な味。

まろやかな塩加減と甘味の
ステキなバランス。

美味しい。
の言葉のカタチに唇が自然とうごく。




はるのにおい。
がしたよ、
このまえの晩。

と、友人が
歩く道すがら。

ああ、
したね、ふわりとした

におい。


でも、
厳密に言えば
それぞれ感じる
「はる」は
おなじじゃない。


私の感じたはると
彼女のはるは
どことなく違ったみたい。

でも、
いいんだ。

こうして
隔たりのない
風の流れに
その人なりの
感性で
自然の中で
ちゃんと
何かと常に触れ合っていると
感じれること。


そんな話をしつつ
微妙にすれ違って
おんどさがあって。

それが
くすぐったくて
また、
すごくいい。

こゝろの色はほころぶ。

歩幅も少しずれながら
彼女と二人、
冬から春に向かう道を歩く。


DSCN9832.jpg


ちょっとしっかりめの固さに仕上がった。

スプーンで静かにすっと掬う。

口に運ぶ。

懐かしい食感。


おばあちゃんが蒸し器で作ってくれたあのプリン。